『博物誌』は色々な人が書いていた……
『博物誌』といえばプリニウスとかその辺り有名ですよね。
プリニウスとかプリニウスとか、ああ、あとプリニウスとかも書いてましたね。
で、今回の感想は
『博物誌』
岸田国士 訳
NDC(10版):954
ジュール・ルナールの著作はこの他は『にんじん』が有名ですね。未読なんですが。
最近気付いたのですが、こういう有名どころを殆ど読んでなくて知らない話が沢山あるのです。
大人になってから時間を見つけてあれこれ読んでいます。
私がこのルナールの『博物誌』を読もうと思ったのは、2021年5月13日の読売新聞の編集手帳にこの本の一説が引用されていたからです。
そしてそれが、私がこの本の中で一番好きな一節になりました。
それが『蝶』です。
「二つ折りの恋文が花の番地を探している」
この短い文が非常にロマンチック!詩的で素敵、素晴らしい!
……けど、この『博物誌』って、文によって温度差があるんですよ。ダジャレでは?とか見たまんまですよね!?とか。
それがいいのです。生き物を美化しない、ありのまま、命を飾らない、ルナールの視線のまま描かれているような感じです。読んでいる私は身近にその生き物がいれば見に行ったりしました。
個人的には長い話より短い、ほんの数行の項目が面白いと思います。これは翻訳者のセンスの賜物なのかな。ルナールの言葉を日本人が共感しやすいように訳すって凄くセンスのいる仕事なんじゃなかろうか………
『驢馬』
「大人になった兎。」
……って、原文で初めて見た時どう思ったんだろう………
個人的には鳥が飼いたかったけど、絶望的に鳥を飼うのに向いてないルナールの話とか面白くて大好きなのでその辺りを読んでほしいです。
時間が空いた時に開いてみたり、好きなページを何度も読んでみたりするのにいい本です。私はルナールの鳥が飼いたかったけど向いてなかった話(これは私が適当に名付けた本の中のエリア名)の辺りは読み過ぎて勝手に開いてきます。
勝手に開くとまた読んでしまう……
どうも最近の私はまったり読み、繰り返し読みが楽しいようです。