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約束されしハッピーエンドの描き手「星奏なつめ」のススメ

ああ、今日は疲れた。

最近重い題材の本屋ばかり読んでたから明るいのが読みたい……

最近少女漫画、読んでないなあ…

面白いラブコメ小説が欲しい……

 

そんなあなたに「星奏なつめ」氏をご紹介したい。

この方が書いた本というだけで、そこには既に「約束されしハッピーエンドの本」が存在する事になる。

その本の中には凄く少女漫画的なときめきが詰まっている。そして、笑える。キュンキュンしながら笑いも外さない、心の重りがするっと下ろせる、明日もちょっと頑張ってみようかな、と思える速効性のあるハッピーエンド。

まずは氏のデビュー作、『チョコレート・コンフュージョン』をお試しあれ。

 

あらすじ

バレンタインすら残業の、仕事に疲れたOL千紗。お気に入りの靴のヒールが折れてまさに泣きっ面に蜂。そんな千紗を助けてくれたのは、理想の王子様――ではなく、凶悪な見た目から社内で殺し屋と恐れられる龍生だった。千紗はお礼のつもりで義理チョコを渡すが、勘違いした龍生に交際を申し込まれてしまう。「断ったら殺される!?」命の危険を感じた千紗は、怯えながらも偽の恋人になることに。だけど強面の龍生が提案してきたのは、なぜか交換日記で!?

(作家・星奏なつめ特集 https://mwbunko.com/title/sp22/より引用)

 

はいもう面白い。

まず会社の中で「殺し屋では…?」って思われてるキャラがいるインパクトでまずひと笑いを齎してくれます。しかも読んでると社員の皆さん割とガチで龍生さんの事殺し屋だと思ってるんですよね。いやいやあんたらそんな人と普通に仕事してんじゃないわよ、もっと御身大事にしなさいよね!?とよく分からないツッコミを入れたくなること間違いなし。ヒロインの千紗さんも、龍生さんに交際を申し込まれた時に「断ったら、殺される!?」という発想が出て来るあたりで殺し屋説ガチ勢の匂いがします。

まあ、千紗さんも千紗さんで「この人一体どんな育ち方してんだろうか……」と疑問に思うんですが、その辺りの疑問は続編『チョコレート・セレブレーション』でバッチリしっかり回収してくれます。ご安心召されい。この親にしてこの子ありって感じですからね!

 

そして、同社内ではあるものの、『チョコレート』シリーズのキャラはチラッと、フレーバー的にしか出てこない、外伝的位置付けの『ハッピー・レボリューション』は一冊完結。また、千紗さんの親友、恵里子さんが主人公の『チョコレート・リジェネレーション』も一冊完結。中身は『コンフュージョン』や『ハッピー・レボリューション』よりちょっと大人っぽいかもしれない。だがご安心召されい、どっちも星奏なつめワールドを堪能するのに十分でござる。

 

自分という人間のキャラが迷走してきました。

 

疲れた心に「星奏なつめ」は間違いなく効く。

かつて少女だった働く大人の女性たちのための、読む栄養剤。チョコラBBハイパーとかその辺りの効果を想像していただけると分かりやすいと思います。

今私の手元には星奏なつめ作品の新シリーズ、『#誰か『いいね!』を押してくれ』があります。新シリーズなのですが、『チョコレート』や『ハッピー・レボリューション』のキャラクター達が働くあの会社の中のお話だとか何とか。更には続編『大凶ちゃんと太陽くん #誰かじゃなくて君がいい』も発売中らしい。

え……私のチェック力、弱すぎ……!?

 

という事で、次は『#誰か『いいね!』を押してくれ』の感想を書きたいと思います。